自動車保険では、事故を起こさない人には保険料が安くなるように仕組みになっています。この仕組みのことを等級制度と呼びます。
正確に言うと、ノンフリート(車両10台以下の契約)に適用される制度なのでノンフリート等級制度と呼ばれています。
自動車をお持ちの方は、自動車保険の等級について聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。
この等級制度では、最大64%の割引を行なっています。このため、保険料を安くするためには、等級が大きく関わっています。
この記事では、そんな等級について詳しくまとめています。
等級制度とはそもそもどんな制度なのか、ご自身の自動車保険ではどれくらい割引されているのか確認してみてください。
自動車保険の等級制度はどんな制度なの?
ここでは自動車保険の等級制度の仕組みについてまとめています。どんな制度か知りたい方は確認してみましょう。
事故を起こしたら次の契約更新で保険料が高くなる
自動車保険の等級制度の大きな特徴は、事故を起こしてしまったときに次の契約更新で保険料が高くなることです。
では、なぜ事故を起こしたときに保険料が高くなるのでしょうか。
最大の目的は、保険料が高くなることによって自動車の運転者にできるだけ事故を起こさないように心掛けさせるためです。
保険料が高くなることは誰しもが嫌なことですよね。そう意識をさせることで、事故を未然に防ぐ役割をしているのです。
私たちは、自動車保険に加入することで、事故を起こさないように意識をすることができるのです。
等級制度は、保険会社にもメリットがあります。いくら保険料が上がるといっても事故を何度も起こされると、収益がマイナスになってしまいます。安定的な収益を保つためには、事故を未然に防ぐことが保険会社の役割となっています。
等級は20段階に分けられていて、初めの等級は6等級からはじまる
自動車保険の等級は、20段階に分けれらていて「1 〜 20等級」で区別されます(一部の自動車共済等は22等級までありますが、最大の割引率は変わらないです)。
1等級が最低ランクの等級で、20等級が最高ランクの等級になります。このため、自動車保険を安くするためには20等級に近づける必要があります。
また、自動車保険を初めて加入される方は、6等級から加入することになります。
「6S等級」と「6F等級」
自動車保険の詳しく見てみると、6等級(もしくは、7等級)では「6S等級」と「6F等級」に区分されています。
この違いは、自動車保険を初めて加入したかどうかで決まります。
「6S等級」では、自動車保険を初めて加入したときの等級の表示です。
「6F等級」では、自動車保険に加入はしていたものの、事故の影響により等級が上下して6等級になったときの等級の表示になります。
つまり、「6S等級」は自動車保険に加入して1年目だけの特別な等級になります。
1年間で無事故であれば、1等級上がる
自動車保険の等級制度は、1年間で無事故であれば1等級上がるようになっています(複数年契約は複数等級が上がります)。
1年間というのは、自動車保険の1年間契約(保険期間内)において1回も事故を起こさなかったということです。
つまり、無事故を続けていてば最高等級の20等級までは14年間かかるということになります。
事故をしてしまうと、等級は下がる
自動車保険の等級制度は、事故をしてしまうと下がるようになっています。ここで言う事故とは、自動車保険を使ったときのことを指します。
自動車保険を使わずに自己資金でまかなうときは、等級が下がることがありません。
事故によって等級の下がり方は別れています。等級の下がり方は下のようになっています。
等級に関係する事故の種類
- 「3等級ダウン事故」 : 3等級下がる
- 「1等級ダウン事故」 : 1等級下がる
- 「ノーカウント事故」 : 等級は下がらない
事故の種類は保険会社によって分けられています。だいたいのイメージとしては、「3等級ダウン事故」はご自身が不注意で起こしてしまった事故、「1等級ダウン事故」は注意をしても避けられなかったような事故(自然災害等)、「ノーカウント事故」は特約のみを使う事故になっています。
正確な事故の種類に関しては、保険会社がまとめているので保険会社や代理店に問い合わせてみて下さい。
事故有係数と適用期間
自動車保険の等級制度では、新しく事故有係数が設けられました。この係数により保険料が全体的に高くなりました。
事故有係数とは、事故を起こした際に付けられます。この事故有係数が付いている契約であると保険料が少し上がります。
付けられる係数は次の通りです。
事故有係数の付けられ方
- 「3等級ダウン事故」 : 事故有係数「3」
- 「1等級ダウン事故」 : 事故有係数「1」
事故有係数は、1年間で無事故であると1つずつ減っていきます。最終的に0になると保険料が安くなります。
つまり、事故有係数が適用されている期間(適用期間)だけ保険料が高くなり、適用されなくなると保険料が安くなるのです。
事故有係数の保険料増減
事故有係数が「1」以上 : 保険料が高い設定になる
事故有係数が「0」 : 保険料が安い設定になる
等級制度の割引率表
自動車保険のノンフリート等級における割引率を下にまとめました(ただし、自動車共済は異なる)。ぜひご自身の等級を確認してみて下さい。
等級 | 割引率 | |
事故有係数なし | 事故有係数あり | |
1等級 | +64% | |
2等級 | +28% | |
3等級 | +12% | |
4等級 | -2% | |
5等級 | -13% | |
6F等級 | -19% | |
7F等級 | -30% | -20% |
8等級 | -40% | -21% |
9等級 | -43% | -22% |
10等級 | -45% | -23% |
11等級 | -47% | -25% |
12等級 | -48% | -27% |
13等級 | -49% | -29% |
14等級 | -50& | -31% |
15等級 | -51% | -33% |
16等級 | -52% | -36% |
17等級 | -53% | -38% |
18等級 | -54% | -40% |
19等級 | -55% | -42% |
20等級 | -63% | -44% |
保険会社を変えたら等級はどうなるの?
自動車保険では、保険会社を変えても等級が引き継がれます。
このため、次の保険会社で自動車保険を加入するためには、今現在の等級を伝える必要があります。
また、事故が多くて新しい「6S等級」から入りなおしたい方がいらっしゃかもしれません。
しかし、今ある自動車の契約は必ず引き継がなければなりません。契約を解約しても13ヶ月以内に契約を再開すると契約を引き継がなければならないようになっています。
ただ、今の保険会社を解約して新しい保険会社で加入すれば大丈夫と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、保険会社同士で繋がっているのですぐにバレてしまいます。事故が多いからといって、等級を無理やり変えるようなことはやめましょう。
ルールをきちんと守らないと、どこの保険会社でも契約ができないようになってしまう可能性もあります。自動車保険はしっかりとルールを守って加入して下さい。
まとめ
この記事のまとめ
- ノンフリート等級制度は、「1 〜 20等級」の20段階に別れている
- 初めて加入する方は、6等級から始まる。
- 無事故であれば等級は上がり(1等級上がる)、事故をしてしまうと等級は上がる(1 or 3 等級下がる)
- 最大の等級である20等級では、64%割引される
等級制度は、自動車保険の保険料の根幹をなしています。そのため、車両入れ替えや、等級の引き継ぎを考えることにより新しく自動車を購入したときに保険料を安く抑えることができます。
皆さんも等級の仕組みを学び、少しでも保険料を安くしてみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。