
交通事故が起きた瞬間、頭が真っ白になりますよね。いざ事故が起こると「警察って呼ぶべき?(110番?)」「保険会社にはいつ連絡?何を伝えればいい?」とパニックなってしまいがちです。
私は元・損害保険会社の社員として、事故対応の“つまずき”を本当にたくさん見てきました。事故は、対応の順番を守ることが何より大切です。
この記事では
「事故対応で余計なトラブルを増やしたくない」
「必要なことだけ、今すぐ分かるように整理してほしい」
という方に向けて、事故現場〜保険〜病院〜手続きまでを、迷わず動ける形でまとめます。
この記事でわかること
- 事故直後に“絶対にやるべき”優先順位(最初の10分)
- 警察(110)・救急(119)・保険会社へ連絡するタイミングと伝え方
- 相手情報・証拠(写真/ドラレコ)で失敗しないコツ
- その場で示談しない理由、事故証明書など後工程の流れ
「今まさに事故直後で焦っている」方は、次の結論パートだけ先に見ても大丈夫です
目次
結論:事故発生時の対応はこの順番(まずはこれだけ守る)
- 安全確保(ハザード/二次事故防止/安全な場所へ)
- けが人の確認・救護(必要なら119)
- 警察へ通報(110)※軽い物損でも基本は届け出
- 相手情報の確認・交換(免許証・連絡先・ナンバー・保険)
- 証拠を残す(現場写真/ドラレコ保存/目撃者)
- 保険会社へ連絡(ロードサービス・修理・代車の手配)
- 受診(痛みがなくても違和感があれば早めに)
- 事故証明書・修理・示談へ(落ち着いてから)
※ 運転者には、事故時に停止・救護・危険防止・警察への報告などの義務があります。
【0〜10分】事故現場で最優先:安全確保と救護(ここで勝負が決まる)
1)二次事故を防ぐ(最初にやる)
事故現場は、追突・巻き込みなど二次被害が起きやすいです。可能なら安全な場所へ移動し、ハザードを点灯。停止表示板や発炎筒が使える状況なら活用します(高速道路・夜間は特に注意)。
2)けが人確認、必要なら119
人命救護が最優先です。意識・呼吸の確認、可能な応急手当、救急要請を優先してください。
【必須】警察へ通報(110):軽い事故でも「呼ばない」は危険
「ちょっと擦っただけ」「相手が急いでいる」「自分に過失がなさそう」
こういう場面ほど、警察への届け出を飛ばす人がいます。でも後で困りやすいです。
- 事故の届け出がないと、交通事故証明書が申請できないことがあります(保険手続きで必要になる場面が多い)。
- そもそも事故の報告は法令上の義務として整理されています。
「警察を呼ぶほどでは…」と感じても、基本は110番 → 指示に従うが安全です。
相手と交換する情報(この6つは最低限。写真で残すのが最強)
事故後に揉めやすいのは「連絡先が不明」「保険会社が分からない」です。現場で淡々と確保しましょう。
- 氏名/住所/電話番号
- 運転免許証(可能なら撮影)
- 車のナンバー(撮影)
- 車種・色
- 相手の任意保険会社名(加入の有無)
- 事故日時・場所(メモ)
※ 相手が提示を渋る場合も、まずは警察の到着を待ち、警察の指示に従うのが安全です。
証拠を残す:過失割合でもめない人は「現場で撮っている」
1)スマホで撮るべき写真(迷ったらこれ)
- 事故車両の全体と損傷(近景/遠景)
- 停止位置が分かる全景(道路全体・車線・交差点)
- 信号・標識・一時停止・センターライン
- 路面状況(雨・雪・凍結・段差)
2)ドラレコは“上書き前”に保存
ドラレコ映像は強い証拠になり得ますが、機種や設定次第で上書きされることがあります。事故直後に保護(上書き防止)やバックアップを意識してください。
3)目撃者・防犯カメラ
目撃者がいれば連絡先を控えます。周辺に防犯カメラがありそうなら場所だけでもメモしておくと、後で確認しやすいです。
その場で示談しない:サインも現金も「保険会社に任せる」が正解
事故直後は、ケガも損害も確定していません。
その場で「これで終わり」と示談すると、後から治療費や修理費が増えても、取り返しがつかないことがあります。
- 現場で示談の約束はしない
- 「保険会社に連絡します」とだけ伝える
- 謝罪はしても、過失を断定する言い方は避ける(事実確認が先)
保険会社に相談する前に示談を進めない、という注意喚起は保険会社の事故対応案内でも繰り返し言及されています。
保険会社への連絡:いつ?何を伝える?
警察対応と証拠確保が落ち着いたら、できるだけ早めに保険会社へ連絡します。軽微な事故や“もらい事故”でも連絡推奨とされることがあります。
電話で伝えるテンプレ(そのまま読んでOK)
- 事故の日時/場所
- 事故状況(簡潔に。推測は言わない)
- 相手の氏名/連絡先/ナンバー
- けが人の有無(自分・同乗者・相手)
- 車が動くか(レッカー必要か)
- 警察へ通報済みか(分かれば受理情報)
- ドラレコ・写真の有無
病院は早めに:痛みが遅れて出るのは“あるある”
事故当日は興奮で痛みを感じにくく、翌日以降に首・腰の痛みが出ることがあります。
違和感があるなら早めに受診し、診断結果は保険会社にも共有しましょう。
事故後の手続き:交通事故証明書・修理・示談の流れ
1)交通事故証明書(まずは“警察への届出”が前提)
交通事故証明書は、事故の事実を証明する重要書類です。事故に遭ったら警察に届出をして、後日交付を受けるよう案内されています。
2)修理の進め方(迷ったら保険会社へ)
- 修理工場の候補を決める(紹介を受けるのもあり)
- 見積もり取得 → 修理可否の判断
- 代車・レンタカーが必要か確認
- 保険を使うか(自己負担・等級への影響も含めて)検討
3)示談は「治療・修理が落ち着いてから」
示談は最終合意です。焦って締結しないのが鉄則です。
事故対応チェックリスト(スマホ保存推奨)
【現場】
□ ハザード/安全確保/二次事故防止
□ けが人確認・救護(必要なら119)
□ 警察へ通報(110)
□ 相手情報の交換(免許証・連絡先・ナンバー・保険)
□ 現場写真(全景/損傷/標識・信号)
□ ドラレコ保存(上書き前)
□ 目撃者連絡先・防犯カメラの位置メモ
【その後】
□ 保険会社へ連絡(ロードサービス含む)
□ 受診(違和感があれば早めに)
□ 修理見積もり・代車の手配
□ 交通事故証明書の準備
□ 示談は急がない(保険会社と相談して進める)
まとめ:迷ったら「安全・警察・証拠・保険」の順で動く
事故対応は、知識というより順番です。
安全確保 → 救護 → 110 → 情報交換 → 証拠 → 保険会社 → 受診・手続き
特に、次の3つは“後から損しやすい鉄板パターン”なので避けてください。
- 警察に届け出ない(事故証明が取れず詰む)
- その場で示談する(後から請求できないリスク)
- 証拠(写真・ドラレコ)を残さない(過失割合で揉めやすい)
この記事は、いざというときのためにブックマーク推奨です。 事故は起きないのが一番。でも、起きたときに“損しない動き”をできるようにしておきましょう。
