特約 豆知識

【2023年度版】地震・噴火・津波「車両損害」特約を徹底解説!!

自動車保険では、基本的には地震・噴火・津波により契約している車両に損害が発生した場合、補償を行なっていません。

これは、大地震が起きてしまうと、一度に多くの損害が発生するので、保険会社が支払えなくなってしまう可能性があるからです。

東日本大震災以前には補償できる保険がありましたが、大震災後はほとんどなくなってしまいました。

自動車保険の地震等に関する補償では、車両が全損したときに50万円の一定金額を支払う「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」が一般的です。

この特約のデメリットは、全損の状態でないと保険金が支払われず、支払われても50万円までと制限がある部分です。

地震等に関しての損害で保険金が支払われるのは良いですが、もう少し出ないのかと思われる方がいらっしゃるかもしれません。

そんな方は、この記事をぜひ一読して下さい。

実は、保険会社は地震・噴火・津波の損害を車両保険の保険金額(保険金の上限金額)で支払うことができる特約があります。

それは、地震・噴火・津波「車両損害」特約と呼ばれる特約です。

この特約は、保険会社のパンフレットには載っていませんが、約款上では存在している保険会社があります。

この記事では、そんな地震・噴火・津波「車両損害」特約について解説していきたいと思います。

ただし、この特約は必ず付帯できるわけではなく、申請や条件がとても大変ですので本当に必要性がある方のみの特約になります。

地震・噴火・津波「車両損害」特約の補償内容

地震・噴火・津波「車両損害」特約とは、車両保険の補償を広げるような特約です。

車両保険は自動車保険で契約してる車両(自分の自動車・バイク等)に損害を補償する保険です。

車両保険の詳細については下の記事を参照して下さい。

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補償内容

地震・噴火・津波「車両損害」特約の補償内容

地震・噴火・津波により契約車両に損害が発生したとき、車両保険の保険金額(保険金の上限金額)を上限として補償する

地震・噴火・津波「車両損害」特約は、地震・噴火・津波により契約をしている車両に損害が発生しても、車両保険で支払えるようにした特約になります。

地震・噴火・津波「車両損害」特約が必要な理由

地震・噴火・津波により発生した損害は通常の車両保険では支払われません。

そのため、地震等に関する損害に関しては、こうした特約を付帯するしかないのです。

地震・噴火・津波「車両損害」特約を取り扱っている保険会社

この特約は全ての保険会社が取り扱っているわけではありません。取り扱っている主な保険会社を見ていきましょう。

取り扱っている保険会社

保険会社 特約の名称
損保ジャパン日本興亜 地震・噴火・津波車両損害特約
三井住友海上 地震・噴火・津波「車両損害」特約
あいおいニッセイ同和損保 地震・噴火・津波「車両損害」特約
AIG損保 地震・噴火・津波危険「車両損害」特約

地震・噴火・津波「車両損害」特約を取り扱っている保険会社は、代理店型の保険会社がほとんどです。

代理店型の保険会社とは、保険会社が直に顧客へ保険を販売するわけではなく代理店に販売の委託を行なっている保険会社のことを指します。自動車保険の9割近くが、代理店型の保険になっています。

ダイレクト型の保険会社でも楽天損保は加入できる

ダイレクト型の保険会社である楽天損保では、車両地震特約という特約で地震等の損害に関する車両の損害を補償することができます。

ダイレクト型の保険会社とは、主にインターネットを通じで保険を直に顧客へ販売を行う保険会社のことを指します。

車両地震特約は、地震・噴火・津波「車両損害」特約と名称は異なりますが同様の補償内容になります。

車両地震特約の詳細に関しては、下の記事で解説しているのでご参照下さい。

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地震・噴火・津波「車両損害」特約で支払われる保険金の例

地震・噴火・津波「車両損害」特約で支払われる保険金の例を記します。

支払われ方は、車両が分損か全損かの状態で異なります。一般的に分損とは修理ができる車両の状態、全損とは修理ができない車両の状態を指します。

全損と分損の詳しい解説は、下の記事に記載しているので興味のある方はご参照下さい。

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分損のときの保険金の支払い例

分損の場合の保険金

地震が起きたことにより損害が発生

車両保険の保険金額:80万円、修理費用:50万円

保険金額:80万円 > 修理費用:50万円

修理費用が保険金額より小さいので分損、保険金50万円が支払われる

全損のときの保険金の支払い例

全損の場合の保険金

地震が起きたことにより損害が発生

車両保険の保険金額:80万円、修理費用:100万円

保険金額:80万円 < 修理費用:100万円

修理費用が保険金額より大きいので全損、保険金80万円が支払われる

地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約の補償とはどう違うの?

冒頭でも少し触れましたが、『地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約』という『地震・噴火・津波「車両損害」特約』と似たような補償の特約があります。

この特約とはどこが違うのでしょうか。

『地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約』の補償の違い

・全損の場合しか補償されない

・最大50万円の定額払い(車両保険金額が50万円以下なら保険金額分が支払われる)

『地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約』では、分損の場合は補償されず1円も保険金が支払われません。

また、最大50万円の定額払いなので保険金が少なく感じるときもあるかもしれません。

『地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約』の詳細は、下の記事で詳しくまとめています。

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地震・噴火・津波「車両損害」特約は、申請・手続が難しい

地震・噴火・津波「車両損害」特約の最大のデメリットが申請・手続が難しい部分にあります。

保険会社は大震災により多額の保険金を支払うことで、支払不能となり保険会社が倒産することを避けなければなりません。

そのため、大々的な広告は出さずに申し訳ない程度にこの特約を表示しています。

この特約は、基本的に保険会社は引受(顧客が特約を付帯できるようにすること)を行なっていません。ただし、それなりの理由があれば引き受けるというものです。

こうしたことから、この特約を付帯したい場合は、保険会社に対して大きな力のある代理店に何度もお願いすることが大切です。

忍耐と時間を要することですが、地震等の損害に対して最大級の補償が得られるので考えてみても良いかもしれません。

しかし、全ての人が付帯できるわけではないので心に留めておいて下さい。

 

ただし、楽天損保はダイレクト型の保険会社であるので付帯することが比較的に容易です。しかし、保険会社の規模としては小さいので、震災が起きた時にすぐに支払不能となるかもしれません。

支払いが不能となっても「救済保険会社」「損害保険契約者保護機構」が契約を引き継ぐことにより、最終的には支払われる可能性が高いですが基本的には財務状況が良い保険会社を選ぶことが良いでしょう。

まとめ

この記事のまとめ

  • 地震・噴火・津波「車両損害」特約は、地震・噴火・津波による契約車両への損害を補償する特約
  • 地震・噴火・津波「車両損害」特約の付帯はとても難しい。付帯したい場合は、大きな代理店へ長期的な依頼が必要
  • ただし、全ての人が付帯できるわけではない

地震・噴火・津波「車両損害」特約は、引受申請が必要な特約になります。そのため、補償内容は充実していますが全ての人が付帯できるわけではありません。

本当に付帯を考えている方は、代理店に相談してみて下さい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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  • この記事を書いた人

損保マン

元大手損保営業マン。 入社時に「事故担当(事故時の専任担当者)」を経験したのち、「リテール営業」を担当しました。この「事故対応」と「営業」の2つの経験を活かして本サイトを運営しています。

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