自宅や車庫を契約している車両で傷つけたとき、自動車保険では補償されないことはご存知でしょうか。知らない方がほとんどではないでしょうか。
物を壊してしまった場合、通常では自動車保険では対物賠償責任保険で補償を行います。しかし、この保険は相手の物を壊してしまったときに利用できる保険です。
つまり、自分の所有している建物に損害が発生しても補償することができないのです。
せっかく自動車保険に入っているのに補償されないなんて理不尽な気がしますよね。特に駐車が苦手な初心者の方には大問題だと思います。
そんな時に便利なのが、自宅・車庫等修理費用補償特約です。この特約を付帯することで、自宅や車庫を自分の自動車で傷つけてしまったときに補償をすることができます。
この記事では、そんな自宅・車庫等修理費用補償特約を補償内容や特徴を解説します。
自動車運転免許を取り立ての「あなた」に必見です。
自宅・車庫等修理費用補償特約の補償内容
自宅・車庫等修理費用補償特約は対物賠償責任保険の補償を広げるような特約です。
対物賠償責任保険は事故により相手の車両や建物等の財物に損害を与えてしまったときに補償を行う保険です。
対物賠償責任保険にの詳細については下の記事を参照にして下さい。
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補償内容
自宅・車庫等修理費用補償特約の補償内容
契約している自動車の自宅・車庫等と衝突または接触した場合に、自宅・車庫等に生じた損害を補償
通常の自動車保険では支払うことができない、自宅・車庫等の損害を補償する特約です。
取り扱っている保険会社
自宅・車庫等修理費用補償特約は2018年現在で2社が取り扱っています。それぞれ補償される保険金額が違うので下に記します。
保険金額とは保険金の上限金額のことを言います。
保険会社 | 保険金額 |
AIG損保 | 50万円 |
SBI損保 | 30万円 |
ご覧の通りに取り扱っている保険会社は少数になります。上記の2社で加入を検討されている方は付帯されてみてはいかがでしょうか。
付帯をオススメな人
自宅・車庫等修理費用補償特約はこんな方にオススメ
- 運転免許を取り立てて間もない方
- ペーパードライバーで極たまに運転をしなければいけない方
やはり運転が不慣れな方にオススメします。車庫への駐車が苦手な方は検討してみてはいかがでしょうか。
自宅・車庫等修理費用補償特約の制限
自宅・車庫等修理費用補償特約の制限
保険期間内に1回限り使用可能
自宅・車庫等修理費用補償特約には制限があります。この特約は保険期間内に1回限りしか使用できません。
保険期間とは、保険の始期日から1年間のことを指します(複数年の契約でも1年間です)。
つまり、1年間に1度しか使用できない特約となっています。
自宅・車庫等修理費用補償特約の保険金が支払われない主なケース
自宅・車庫等修理費用補償特約で保険金が支払われない主なケース
・故意や重大な過失がある場合
・無免許運転や酒気帯び運転等の場合
・地震・噴火またはこれらにより発生した津波により損賠が発生した場合
・競技や曲技、試験で車両を使用していた場合
基本的には対物賠償責任保険で支払うことができないケースと一致しています。
ただし、注意しなければいけないことが無免許運転や酒気帯び運転等で損害が発生した場合です。
これは、対物賠償責任保険にはありません。
理由としては、自分の所有物であるからです。自分が悪いことをしているのに自分の所有物が補償されるなんてムシがいいですよね。
このような理由から、保険金の支払いができなくなっています。
なんで通常の自動車保険では、自宅・車庫等の損害を補償できないの?
冒頭にも少し述べましたが、通常の自動車保険では、自宅・車庫等の損害を補償できない理由を解説します。
自動車保険の物の損害を補償する保険は下のようになります。
対物賠償責任保険 → 相手の自動車や物に損害を与えてしまったときの費用を補償
車両保険 → ご自身の車両の修理費用を補償
自動車保険の物の損害を補償する基本補償は、この2種類しかありません。
見ていただければわかる通りに、自分の所有している自宅・車庫等の損害を補償する項目がないのです。
このため、自宅・車庫等修理費用補償特約を付帯しなければ自宅・車庫等の損害を補償することはできないのです。
アパートやマンションは自分の所有していない部分もあるけど、どのように補償されるの?
アパートやマンションでは、自分が所有していない部分があります。その場合は、どのように支払われるのでしょうか。
専有部分(自分が所有) → 自宅・車庫等修理費用補償特約
共有部分(共同で所有) → 対物賠償責任保険
アパートやマンションの場合は、上記のように2種類の保険で支払われることになります。
このため、アパートやマンションにお住まいで専有部分の補償が気になる場合は、自宅・車庫等修理費用補償特約を付帯することをオススメします。
火災保険で契約している車両で自宅・車庫等を傷つけてしまった場合は補償できるの?
通常の自動車保険で補償できないのはわかったけど、火災保険では補償できるのか疑問に思われた方もいらっしゃるかと思います。
このことについて、契約車両で自宅・車庫等を傷つけてしまったときの対応は、保険会社によってマチマチです。補償を行う保険会社もあれば、補償を行わない保険会社があるのが現状です。
そのため、補償が気になる方は加入をしている保険会社に補償があるか確認をする必要があります。しっかりと確認をして万全の備えをしましょう。
まとめ
この記事のまとめ
- 自宅・車庫等修理費用補償特約は通常の自動車保険では支払われない自宅・車庫等の損害を補償
- 自宅・車庫等修理費用補償特約は運転が不慣れな人にオススメの特約
- ただし、取り扱いの保険会社が少ないのがデメリット
自動車保険には、このような補償の穴がいくつもあります。補償を充実させるには、「自宅・車庫等修理費用補償特約」のような特約を付帯することで、こうした補償の穴を埋めることが大切です。
保険を勉強することで、色々な補償の穴が見えてくると思います。そういった意味で保険の勉強は大事になってきます。
万が一の事故のために、そのようなことを考えていけたら良いですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。